5.加圧トレーニング

2022年1月19日
5.加圧トレーニング
そもそも、筋力が弱ってしまっていたのに「以前と同じように弾けるつもり」で無理をしたところからオーバーワークとなり、徐々に不調が広がってしまったのだろう、とは思っていました。
それなのに、痛みが出てしまってからは、「これ以上痛くなると嫌だから、用心して弾かない」という期間が増え、ますます筋力が低下。悪循環に陥っているのも感じていました。
なので、「筋肉をつけよう」。
筋トレって、スイッチが入ると結構いけるものです。
それがまた新たな悲劇を生むということまでは、想像が出来ませんでした。
・・・
以前ブログで、「加圧トレーニング遍歴」という記事を書きました。
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http://mlondon.jugem.jp/?eid=1265395
私が加圧トレーニングを初めてやったのは、痛みに悩み始めるよりもずっと前、2010年前後のことで、一番最初に加圧トレーニングがブームになった頃です。
しかし、2年半程でやめてからは、あまり運動をしていませんでした。
2017年の5月(「異変」から4年後)、再び加圧トレーニングを開始することになりました。
トレーナーさんに自分の状況をお話しし、すぐに手指が痛くなってしまうことなどを相談したところ、「痛めにくい体になるためには鍛えたほうがいい」「筋肉は天然のサポーター」とのお言葉に勇気をいただきました。
楽しく通い始めたのですが、やはり途中で本番があったりすると、本番前は筋肉痛になりたくないのでお休みしたり。それで結局1ヶ月位お休みしてしまったことも何度かあり、いくら頑張っても、ブランクが多くてはなかなか成果が出ないな…と思い始めました。
そこで、加圧ベルトを自分で購入して(トレーナーさんから買って、使い方の講習を受けます)、日々のトレーニングを自分でやることにしたのです。月に1回はトレーナーさんに見てもらって、改善点などチェックしてもらう、という事を賛同してもらい、その方法で進めることになりました。
月に一度のチェック日、私が頑張って課題をこなして行くと、負荷を上げられます。ダンベルの重量が1.5キロから2キロへ、スクワットの回数は20回から30回へ、そして、ジャンプスクワットへ・・・。プランクも褒められました。
褒められると頑張る、褒められたいから頑張る・・・そうやって、小さい頃ヴァイオリンをやって来たわけじゃないですか。
褒められるとうれしいので自主トレを頑張ります。
生まれて初めて、トレーニングによってちゃんと体が変わっていく、ということを体感しました。それ以前は、加圧スタジオに通っても、そこまで体が変わったことがなかったので(甘っちょろかっただけです)、感動しました。
筋量も増えたし、体脂肪は落ちて、体重も低めキープ。
・・・あれ?でも、体脂肪を減らすのが目的ではなかったですよね?
目的って、なんでしたっけ?
スイッチが入ると夢中になってしまって、時に本来の目的を忘れてしまいます。
本来の目的「痛めない体を作る」は出来てきたのかな??
んー、まだ手は痛いけど…、でもまぁ、そのうちに強くなるでしょう。頑張ろう。
そんな矢先。
さすがに少し疲れが出てきたかも、と感じてきた頃のことです。
ジャンプスクワットの着地が安定しなくなり、膝を痛めました。
一つ痛めると次々と連鎖が起こります。
(手と同じじゃあないですか)
腹筋のやり方がうまく行かなくて腰を痛め、背骨も痛くなり、股関節も痛くなり・・・。
どこかが痛くなっても、痛くない種目だけでもトレーニングを続けようとしましたが、やがてギブアップ。痛みや、極度の筋肉の張りが取れなくなってきて、とうとう休むことにしました。
2019年3月の終わりのことです。
その年はまた、リサイタルを秋に控えていました。
それなのに今度は、手の痛みだけでなく、体があちこち痛い。
そして、初めて経験する「背骨の痛み」には、少し怖くなりました。
4〜6月は毎月何らかの本番はあり、それらは何とか問題なく行えたのですが、その間、ずっと背骨は痛いままでした。
背中周りの筋肉をほぐせば背骨の痛みは解消されるだろうと思って、鍼やマッサージには行きましたが、長期的な改善は見られません。(背骨自体に問題がないことは、整形外科で確認)
4月以降、筋トレはほぼお休みしていました。時々、出来そうな気分の時だけ、ダンベルを持ってみたり、スクワットをしてみたり。
そして7月半ばのことです。
今日は出来そうかな、と思ったので、軽いダンベルを持って、肩のトレーニングをしてみたら、すぐに右肩に違和感を覚えました。
やめた方がいいな、と思ってやめましたが、その後も肩の痛みは消えません。
激痛ではありませんが、気になる痛み。楽器を弾くのが怖い痛み。
背骨の痛みもまだあります。
痛いだけでなく、日に日に背中全体の張りが強くなり、ほぐしてもストレッチをしても改善せず、とうとう楽器を構えた状態を5分続けるのも負担になってしまいました。
トレーニングを休止したのが3月末、そしてこの時点で7月半ば。
リサイタルは11月。この体は、よくなるのだろうか?
手の痛み、指の痛みが主な問題だった時を過ぎて、いつの間にか全身が思うように動かなくなってしまったのです。
何をするにも痛みを気にする毎日なのに、リサイタルなんて出来るわけがない。
これは、何か次の手を打たなければ。
切実にそう感じたのが、この時でした。
ただ、それまでも、整形外科や手の外科に何軒もかかり、鍼灸院、整骨院、マッサージを何軒も試し、筋トレも頑張りました。
次はどうすればいいのでしょうか。
・・・そう思った時、数か月前にSNS上で見かけた、ある言葉を思い出しました。
「鍼灸師は筋肉の外科医」