2.「兆候」「違和感」「異変」 2013年

2022年1月19日

2.「兆候」「違和感」「異変」 2013年

覚えている一番最初の「兆候」は、2013年3月、コンサートの準備中でした。

リハーサルで、ピアノトリオなどを一生懸命弾いた後、左腕がものすごく怠く、動かなくなりました。

その後何日もまともに弾けなくなり、次のリハーサルも、当日のゲネプロ(舞台練習)も、「そーっと」指を押さえて弾くような感じ(まともに弾いたらもっと痛くなってしまうだろうから、手加減して弾くしかない状況)。

でも、本番はまぁまぁの力を出せたので、ホッとしました。

私の場合、学生時代は毎日長時間練習をしていましたが、社会人になってからは圧倒的に練習時間が減っていたので、「筋力が落ちているんだろうな・・・」とは思ったのですが、特にその対策をするわけでもなく、少し休めば腕は元に戻ったので、そのまま時を過ごしてしまいました。

・・・

「兆候」が「異変」となったのは突然。同じ年の5月のある日でした。

その日は午前から学校へ行き、生徒さんが来る前にひと練習しようと、レッスン室に入りました。

季節の変わり目で少し疲れが出ていたのは自覚していましたが、何故かその日は結構やる気があって。

ちょっとくらい疲れている方が「頑張ろう」という気になるってこと、あるじゃないですか。疲労感と達成感を混同するというか。

その日に使っていたレッスン室は、少し広めのお部屋でした。広いということは、暖房が効きにくいのです。

そもそも、もう5月だったので、外はそれ程寒くない季節だったのですが、建物の中(日光が届かない北側)は、1シーズン前の気温で止まっています。暖房設備も古いままだったので効きが悪く(今は改善されましたが)、まぁまぁ薄寒い気温でした。

そんな中私は、突然シベリウスのヴァイオリン協奏曲を練習し始めました(わりと難しい曲です)。ウォームアップもせずに。

10分くらい弾いたところで、少し首に異変を感じました。

でも、ちょっとくらい首が痛くたって、弾き続けます。少しぐらい痛くなった方が、練習した満足感が得られることって、あるじゃないですか。

さらに10分くらい弾いたところで時間切れ。生徒が来ました。

さて、レッスンを始めようとしたら…、

さっきの首の違和感が広がって、痛みになっていました。

それは、その後数時間のうちに首から肩の方へ広がっていき、夕方家に帰る頃には、首がほとんど動きません。

それでも私は、その日のうちにもう少し練習したくて、もう少し弾きました。

さすがに少しして「今日はもうやめた方がいいかもしれない」と気付いてやめたのですが、首から始まった異常は広がり、すっかり腕が上がらなくなってしまいました。

・・・

ここまで、違和感を感じてから、まだ半日しか経っていません。

この急激な悪化は何?と、それまでにない不安を感じましたが、一晩寝たら治るかな?という淡い期待も持っていました。

しかし、数日が経っても首は回らず、腕も上がらず。

・・・

元々我が家は、整体や鍼治療によく行きます。

その時も、行ってみたとは思いますが、あまりスッキリとは治りませんでした。

なので、心配なのでとりあえず練習はしないでおく。

そうこうするうちに時が経ち、次の演奏会が近づいてきて、リハーサルが始りました。リハーサルには行ったものの、痛みが気になってちゃんと弾けません。でも、「本番までには何とかするから。本番は大丈夫」と言っていた私。

確かにね、本番ってアドレナリンが出るので、痛くても急に感じなくなったりするんですよ。火事場の馬鹿力。

しかし結局、その時のコンサートは別の理由で公演中止となりました。

それは偶然で突然の出来事でしたが、私にとっても他のメンバーにとっても、結果的には最善となったと思います。

さて、目の前の懸案事項は消えましたが、1ヶ月以上経ってもあまり良くならず、今度は段々と前腕〜手や指が痛くなってきました。

この頃は確か7月。この年の11月には2年に一度の自主リサイタルを控えていました。

リサイタルのことを考えると少々不安になり、ちょうど友人の勧めもあり、手の外科の名医であるA先生のもとへ行ってみることにしました。