エッセイ

 

 

 

 

 

つい先月まで、テレビで「天皇の料理番」という連続ドラマが放映されていました。ご覧になった方はいらっしゃいますか?(私は1~2度観ました)

私にとって印象的だったのは、ドラマの内容ではなくて(すみません・・・)オープニング・テーマに、イギリスの作曲家エルガーの「威風堂々」という曲が使われていたことです。嬉しい驚きでした。この曲とドラマの内容は、特に関連はないのだと思いますが、堂々として少し無骨な、しかし華やかな曲風が、主人公のキャラクターと重なるところがあるのでしょう。イギリスとは関係のない番組でも使われるということは、この曲自体の知名度自体が上がっているということだと思います。

ここ数年、メディアでは、イギリスの話題が取り上げられることが増えました。ロンドン・オリンピックやエリザべス2世の即位50周年にはじまり、ウィリアム王子の結婚など、華やかなニュースが続いたり、映画、スポーツなど様々なジャンルでイギリス人の活躍が取り上げられます。そんな時に必ず、この曲がどこかで聴こえてきます。

  「威風堂々」第1番 2014年BBC Promsの公演より ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、日本ではこの曲を「威風堂々」と呼んでいますが、正式には「威風堂々 第1番」といい、他に第2~6番も存在します。みな、行進曲です。しかし第1番がとにかく有名で、他の曲はそれ程有名ではないため、「威風堂々」といえば第1番のこと、という感じになっています。

 

この曲の人気の秘密は、その中間部分で朗々と歌われる旋律にあります。

作曲された1901年、エドワード7世が即位しました。彼はこの曲を聴いて、この中間部分の旋律をたいそう気に入り、歌詞をつけることを示唆しました。エルガーはそれに応え、翌1902年、戴冠式のための音楽を作曲する際に、その一部にこの旋律を使ったのです。作詞はアーサー・クリストファー・ベンソンという人が作りました。そして出来た曲が「希望と栄光の国(Land of Hope and Glory)」と呼ばれ、現在でもイギリス国民の愛国歌として絶大なる人気があります。

 

       歌詞が見られます→

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国の公式な行事の際に演奏されたり、サッカーやラグビーの国際試合の時にイングランドチームが歌うこともあります。 夏の音楽祭BBC Promsの最終日には、観客は国旗を振りながら大盛り上がりです。

さながら、国歌のようなのです。

あれ? イギリスの国歌って、これではないですよね?

・・・つづく