エッセイ

 

 

 

 

ここに、一枚のCDがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パリーという作曲家を知っていますか?とてもいい曲なので、ぜひ聴いてみてください」と、薦められたこのCD、ヒューバート・パリー(Sir Charles Hubert Hastings Parry, 1948-1918)の、ヴァイオリンとピアノ(二重奏)の作品ばかりが収録されています。ヴァイオリン・ソナタが2曲と、「12の小品」です。

 

 

私がパリーという作曲家を知ったのはこのCDがきっかけで、イギリス留学から帰ってからのことでした。

 

実はこのCDで演奏しているピアニストには以前レッスンを受けたことがあり、とても好きな演奏家だったのでした。(ヴァイオリニストは、失礼ながらもう他界されていると思っていたのですが、1923年生まれでご存命のよう。私は生で演奏を聴いたことはないのですが、経歴を見ると、イギリスで大変活躍されていた演奏家です。私がリサイタルで共演したゴードン・バック氏は、知り合いだそうです)

 

特に薦められたのは「ヴァイオリン・ソナタニ長調」という曲で、私は初めて聴いた時、「イギリスらしくて心地よい、いい曲だなぁ、と思いました。

 

正直言ってその時には、パリーという人がそんなに有名な人だとは思いもせず。しかし、良いイギリス作品をレパートリーにしたいと常に思っているので、迷わずにこの曲を取り入れました。

 

 

 

私は、2004年のデビュー以来、自主リサイタルでは毎回、イギリス人作曲家の作品を取り上げることにしています。有名な曲が少ないので、皆さんにとっては初めての曲となることが多いですが、みなイギリスらしい、愛すべき作品たちです。2004年にはハーバート・ハウエルズ(Hebert Howells, 1892-1983)、2007年にはエドワード・エルガー(Sir Edward Elgar, 1857-1934)、2010年にはハワード・ファーガソン(Howard Ferguson, 1908-1999)、2013年にはフレデリック・ディーリアス(Frederick Delius, 1862-1934)のヴァイオリン・ソナタを演奏しました。 (各リサイタルのライブCDはこちらです)

 

 

 

実は、上のCDを紹介されて依頼、リサイタルでもパリーのソナタを演奏したいとずっと思っていました(自主リサイタルではない機会に演奏したことはあるのですが)。しかしその頃共演をお願いしていたゴードン・バック氏に提案すると「パリー?そうねぇ・・・それよりも○○○はどう?」と、他の曲を挙げられ、いつもさらりと却下されていたのです。(その理由は次回お話します)

 

しかし念願かなって、今年のリサイタルで、いよいよパリーのヴァイオリンソナタを演奏します。同時に、「12の小品」からも少し。

 

そのため、今回改めてパリーについて調査をしたところ、色々なことがわかりました(私が知らなかっただけなのですが)。

 

実はものすごく有名な人だったこととか(エッセイ「その11 イギリスの国歌」をご参照ください)、イギリス音楽界に大変貢献した人だったということ、そして意外と身近な人だったということ・・・。

 

そんなパリーの生涯を、次回ご紹介したいと思います。

 

私の演奏するパリーのヴァイオリン・ソナタ(2015年リサイタル・ライブ録音)はこちらです→