エッセイ

 

 

 

作曲家パリーは、ロンドンの王立音楽大学(Royal College of Music, 通称RCM)で35年もの間教鞭を取っていました(詳しくは、 「エッセイ その12」、 「その13」 を参照)。

私が留学していたのはRCMではないのですが、実は、RCMのすぐ近くに住んでいたことがあります。

私が住んでいたのは女子学生寮、Queen Alexandra’s House (通称QA、キューエー)。

現在は、女子であれば、どの学校に通っているかは関係なく(年齢もさまざま)住むことができますが、元々は1884年、RCM、およびRoyal College of Art、Royal College of Scienceの女子学生のために作られた寮なのだそうです。

寮にはピアノ付きの音楽練習室があり、音楽学生専用のフロアがあり、現在もRCMの学生が多く住んでおり、私のようにRCM以外の音大生もいます。日本人を含め世界中からの留学生が住んでおり、地方出身のイギリス人も住んでいます。

 

このページ一番下の地図で、印のついている所がQAです。(ズームしてみてください)

その右下辺りの位置に、RCMがあるのが見付かりますか?(ちょっとずらして、右下辺りを探してください)

徒歩30秒です。

 

 

女子寮なので、男子禁制です。玄関までは入れますが、その先は、家族であっても男性は立ち入り禁止。玄関で、用がある住人の名前を言って、呼んでもらわなければなりません。

ですから、先生であっても学長であっても、パリーは中には入れなかったでしょう。

パリーに習っていた学生が住んでいたはずです。

 

ちなみに、QAの右側に位置する円形の建物は、Royal Albert Hall(ロイヤル・アルバート・ホール)という、1871年にオープンした7千人収容の大規模ホール。パリーの作品もよく演奏されています。

そして、ホールやQAから見て北側の、道を挟んだ向こう側が、市内で一番広い公園、ハイドパークです。

 

ハイドパーク沿いの道を西に進むと、High Street Kensingtonという地下鉄の駅に近づいていきます。駅に着く少し前、左への小道を入ると、Kensington Squareという一角に、パリーの住んだ家があります。駅前通りの喧騒から一歩引いた、静かな場所です。(写真は、該当の建物に設置されている銘板)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は1年半の間、気付かずに、パリーのとても近い場所で生活していました。次回ロンドンを訪れる時には、もう一度、かつて住んだ界隈を歩き、RCMも覗いてこようと思います。