エッセイ

 

 

 

 

年の瀬となり、母が何かと、空いた時間にごそごそ、ごそごそ・・・と家のあちこちの整理をしています。大掃除ならぬ大片付けということなのか、そういう訳ではないのか・・・。

そしてどこかから、一枚のコンサートチラシを発見して来ました。

 

これが、エッセイ「その17 雨の歌の想い」でお話した、「私が7歳の時」に聴いた、わが師匠の演奏会です。

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まず目に留まるのは、「ヴァイオリンソナタ演奏会」というタイトルです。

こんなシックなタイトル、今の時代では見たことがありません。

このタイトルは、ヴァイオリンが主役というよりは「ソナタ」が主役=ヴァイオリニストとピアニストの役割が対等だということを表しています。現代ならばきっと、ソナタの演奏会であっても「ヴァイオリン・リサイタル」としてしまうことが殆どです。

(「ソナタ」のことや、「リサイタル」という言葉については、エッセイ「その15 リサイタルとはで解説していますので、ぜひ読んでみてください)

 

先生の、「ソナタ」に対する想いと温かさが、チラシを見ただけでも伝わってくる・・・そんな演奏会で私は、ブラームスの「雨の歌」と出会ったのです。

1985年、4月26日のことでした。

 

それから30年経ってやっと、私はその憧れの「雨の歌」を演奏することになったわけです。

しかしこれは、まだ入り口に立っただけに過ぎません。

私の憧れはまだまだ、いえ、永遠に、続きます。