エッセイ

 

 

 

 

去る2015年11月29日に行ったリサイタルの舞台上でお話したことを、文字にまとめました。

照れくさくてお話できなかったところもあり、書き加えております。

 

                                 ♪♪♪    

 

 

私が7歳の時に、当時習っていたヴァイオリンの先生のコンサートがあって、聴きに行き、その時初めて、ブラームスのヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」と出会いました。
 

その日、先生は他にも何曲かお弾きになったわけですが、その中でもとにかく私は、この「雨の歌」が大好きになったのです。

恋に落ちた、というのが一番ぴったりだと、今懐かしく思い出します。

 

ブラームスは、ヴァイオリンソナタを3曲残していまして、ヴァイオリニストならば普通、ほぼ誰でも、好きな曲たちです。なので、私がこの「雨の歌」が好きだと言っても何も特別なことではないのです、が、私にとっては、この7歳の時の体験はとても強烈なものでした。

 

その時から今になるまでずっと、この曲は、私の1番好きな曲で。
いつか私も、あの時の先生のように素敵に、この曲を弾きたい、という・・・

その想いがずっと続いて、今の私がいます。


今までに何度か、この曲をコンサートで弾こうかと思ったことはあるのですが、私の理想が高すぎて、憧れが強すぎて、いつ練習しても「あぁ、やっぱりうまく弾けない。もっと上手になってからじゃないと、人に聴かせられない」 と諦めてきました。
 

でも、そんな風にずるずると先延ばしにしているうちに、私が初めてこの曲と出会ってから、30年もの時間が経ってしまいました。
 

このままでは、この曲を弾けるようになる前に私の人生が終わってしまうかも、と思い、「次のコンサートでは必ず弾こう」と決心をしたのです。
 

7歳のあの日に先生が弾いた、素敵なブラームスにはまだまだ遠く及びませんが、そこに近づくための一歩を、やっと踏み出せた気がします。

 

私がこの曲を弾いて、誰かがそれを聴いて、

7歳の私がそうだったように、この曲に「恋に落ちる」・・・

そんな日が来るまでには、あと30年、かかるのかもしれません。

でも、そんな時も必ず来るのだと信じて、これからも、音楽の道を進んでゆきたいと思っています。

 

どうかこれからも、応援をよろしくお願いいたします。