(​2020年9月4日更新)

好きなバイオリニストは誰かと聞かれたら、なかなか答えは見つからないのですが…

好きなピアニストは、マレイ・ペライアさんです。

 

その事はもう、過去のブログにも何度か書いているようですが…

「ペライア」 http://mlondon.jugem.jp/?eid=1265021

「ペライア様」http://mlondon.jugem.jp/?eid=1265129

私がペライアさんのコンサートに初めて行ったのは、イギリス留学中、まだ両親と一緒に住んでいた頃でした。(何故両親と一緒に住んでいたのかは、エッセイ「その4」と「その5」をご覧ください)

その後、両親が日本に帰国したあと、今度は友人と2人でペライアさんのコンサートに行きました。

 

大きなホールでの単独公演(リサイタルってやつね)。

友人がかなり良い席をゲットしておいてくれて、なんと、前から5列目くらいのまん真ん中でした。

 

さて、ヨーロッパでは、プログラムというものは買うもので、貰えるものではありません。

日本でも、立派なプログラムの冊子は有料ですが、リサイタルのプログラムって、だいたい無料ですよね。

でも、イギリスではリサイタルのプログラムも有料なので、学生の身としてはお金がもったいない。

持って帰っても増えるだけだし、だいたい買いませんでした。

なので、ホールの「月間スケジュール」みたいなリーフレットに記載してある数曲だけが、その日の演奏曲目についての僅かな情報でした。(紙面の関係上、全ての曲目は載せられないでしょうから)

で、その曲目の欄には、バッハの曲名が3つ、書いてありました。

題名が長いドイツ語だったりもするので、よく読んでいませんでしたが。

さて、まん真ん中の特等席に座った私達の前にペライアさんが登場。

ドキドキドキ。

短い曲を続けて2曲弾き、一度、舞台袖に戻りました。

そして再登場後、3曲目を弾き始めました。

とにかく私達はね、「月間スケジュール」に書いてあった3曲は、プログラムの一部分だとはかり思っていた訳ですよ。その3曲の他に、もっと沢山お弾きになるのだろうとばかり思っていたのです。

でも、この3曲目、なんか、長い…

30分経ってもずっと引き続けてます。

40分経っても…。

はい。さすがに気付きましたよ。

これって、めちゃくちゃ長い曲なの!?

そして、もしかして、この長い曲って…

有名なんだねきっと!?!?!?

(その日の聴衆の殆どが、この、3曲目を聴きに来たんだよね)

これが、私とゴールドベルク変奏曲の出会いでした。

当時私は22歳にはなっていたと思います。

私は中学生の頃から、バッハが得意だと言われて来ました。「倫子ちゃんのバッハはなんだか分からないけどいい感じだよね」

それが!

有名なバッハの曲を全く知らずにコンサートに行くなんて!!

…そんなものですよ、ヴァイオリンの学生なんて。

他の楽器の曲には全く詳しくないのです。。

その後偶然、ペライアさんの弾くバッハ「ゴールドベルク変奏曲」のCDを譲り受け、運命を感じた私は、ペライアのゴールドベルク変奏曲に夢中になりました。

ゴールドベルク変奏曲をピアノで弾く、ということを、時代的に間違いだと言う人も沢山いるでしょう。

(バッハの時代には現在のピアノは存在しない。その時代の楽器はチェンバロといいます)

でも、そういう事を超えた感動が、私にはありました。

ペライアのゴールドベルクが、大好きです。

ちなみに両親はザルツブルクでペライアのリサイタルを聴いたらしく、

その時父が「あの人はなんだか、ピアニストっていうよりも田舎のとっつぁんみたいだったな」なーんて言うものですから、ペライア氏、我が家では通称「とっつぁん」なのであります。